滝野不動堂(笠間市)概要: 滝野不動堂の創建は不詳ですが、伝承によると旅僧(弘法大師空海)がこの地に訪れると霊地と感じ取り、御経を読み上げると岩の表面に不動明王が浮かんできたとされ、僧はその姿に爪をあて不動明王像を彫り込んだと伝えられています。その後は修験僧の祈祷場として機能し薬王院が別当寺院として管理されてきました。
現在の滝野不動堂は享保14年(1729)に滝野氏が浄財を集め建立したもので、三間四面(方4.4m)、宝形造り、瓦葺、基礎部分は川に張り出すように懸造りのような形状になっています。細部には箱田村出身の藤田孫平治(藤原常信)が彫り込んだと思われる龍や獅子などの精巧な彫刻が施され、垂木は二重垂木で身舎に対して屋根が大きく小規模な割に存在感があり見ごたえのある建物です。
滝野不動堂は江戸時代中期に建てられた御堂建築の遺構で意匠にも優れている事から平成9年(1997)に笠間市指定有形文化財に指定されています。
滝野不動堂の本尊である不動明王(永正元年:1504年制作、檜材、寄木造、像高79cm、彩色、玉眼)と脇侍である矜羯羅童子(檜材、寄木造、像高72cm、黒塗り)、同じく制咤迦童子(檜材、寄木造、像高73cm、黒塗り)は貴重である事から昭和46年(1971)に茨城県指定文化財に指定されています。
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懸造を簡単に説明した動画
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-笠間市教育委員会
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