旧飛田家住宅(古河市)概要: 旧飛田家住宅は18世紀前半(推定)頃建てられた 古民家です(初代夫婦の位牌に延享元年:1744年と寛延元年:1748年とあり、それ以前の建築で工法などから18世紀前半と推定された)。木造平屋建、曲屋形式、寄棟、茅葺で桁行16.9m、梁間6.6m、曲がり部分は桁行4.7m、梁間5.6m、建築面積142.46u、外壁は正面が真壁造り、素木板張、側面と背面は真壁造り、土壁鏝押え。内部は曲がり部分の床は土間で「厩」が配され、主屋部向かって左側1/3が土間で台所と作業場、中央部分が板の間で囲炉裏などがあり通常の日常生活である食事や娯楽などで利用され、向かって右側1/3は正面が床の間付きの「座敷」(畳敷8畳)、背後に「部屋」が配されています。
曲屋形式の民家は関東北部から東北地方にかけて良く見られる民家形式の1つで特に、庶民にも牛馬の個人的な所有が一般的に普及すると、大切な労働力の1つとして貴重に扱われ冬場には厩にも暖気が行き渡るようとの思いから生まれた形式と推定されます。当初は常陸太田市金砂郷に建てられていましたが茨城県内にある曲屋の農家建築の中で最も古いものとして大変貴重なことから昭和43年(1968)に国指定重要文化財に指定され、昭和50年(1975)に現在地(茨城県古河総合公園)に移築保存される事になりました。
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