平井家住宅(稲敷市)概要: 平井家住宅は茨城県稲敷市柴崎に位置する古民家です。平井家住宅の建築年代は不詳ですが平井家は 江戸時代初期の寛文年間(1661〜1672年)に当地に土着したとの伝承や、延宝2年(1674)に建てられた椎名家住宅(かすみがうら市:国指定重要文化財)と比べると、柱頭に桁行の繋ぎ材を待たない事や、梁同士の組手の古さなど椎名家住宅より古い工法や古式が採用されている事から、伝承通りに寛文年間(1661〜1672年)に建てられたと推定されています。
平井家は当地域を代表する豪農だった事から、当初は藩などの新田開発に携わり平井家住宅 も代官所的な役割があり、開発が終了すると公的な部分が解体され、新たに土間部分が増築されたと推定され、現在は紛失しているものの、以前は江戸時代中期の元禄年間(1688〜1703年)に土間部を増築したという墨書が存在していたそうです。建物は、木造平屋建て、寄棟、茅葺、平入、直屋造、桁行20.2m(10間)、梁間10.7m(5.5間)、建築面積約182u、外壁は真壁造、土壁鏝押え、腰壁は板張り、規模や平面構成から江戸時代前期の有力者の屋敷だったと推定されています。
平井家住宅の内部は向って右側1/3が土間、土間に接する中央正面に「ざしき」、背後に「へや」、左側1/3正面が「おく」、背後に「へや」が配されていました。平井家住宅は茨城県内では最古級の農家建築で、当地方でよく見られる変形広間型民家の遺構で工法も随所に古様、古式が見られる貴重な建物として昭和51年(1976)に国指定重要文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-稲敷市教育委員会
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