安隠寺(稲敷市)概要: 龍華山慈尊院安隠寺は茨城県稲敷市阿波に境内を構えている天台宗の寺院です。安隠寺の創建は平安時代初期の延暦15年(796)快賢が大杉神社の別当寺として開基したのが始まりと伝えられています。文治年間(1185〜1189年)には源義経の家臣常陸坊海尊が僧として仕え、海尊の姿形(巨体、紫髭、碧眼、鼻高)や様々な奇跡を起こしたことから天狗伝説が生まれたとも言われています。江戸時代に入ると後の日光山座主、天海大僧正が住職になった事で輪王寺(栃木県日光市)の直兼帯寺院となっています(制度上は逢善寺の末寺)。明治時代初頭に発令された神仏分離令により廃寺に追い込まれましたが明治11年(1878)に再興、現在でも境内は大杉神社に隣接しています。
現在の安隠寺本堂は安永8年(1779)に建てられたもので、入母屋、桟瓦葺、桁行3間、梁間3間、正面千鳥破風、正面1間唐破風向拝付、唐破風部の懸魚や向拝の欄間、木鼻、本体木鼻、蟇股など精緻な彫刻が施され江戸時代中期の御堂建築の遺構として貴重な事から平成4年(1992)に稲敷市指定文化財に指定されています。寺宝も多く木造安隠寺弥勒菩薩座像と木造不動明王立像が本堂と同じく稲敷市指定文化財に指定されています。山号:龍華山。院号:慈尊院。宗派:天台宗。本尊:弥勒如来。
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