大念寺(稲敷市)概要: 正定山智光院大念寺は茨城県稲敷市江戸崎に境内を構えている浄土宗の寺院です。大念寺の創建は天正18年(1590)会津領(福島県会津若松市)から一族である佐竹氏を頼り新たに江戸崎主となった芦名義広(盛重)が先祖の菩提を弔う為、慶厳を招いて開山したのが始まりとされます。
慶長5年(1600)に発生した関ヶ原の戦いにおいて佐竹氏は東西中立を保った為、秋田へ移封、芦名氏もこれに随行し角館領主(秋田県角館町)となった事から大念寺は庇護者を失います。
江戸時代に入ると幕府から庇護され徳川家康から寺領50石を安堵され寛永13年(1636)には開山堂、経蔵が建立され、随時方丈、庫裏、表門、楼門などが建てられました。関東18壇林の一つに定められると寺運も隆盛し最盛期には末寺は15ヵ寺を数えるまでになりました。
現在でも五重相伝の古文書や大仏、慶厳上人木像など多くの寺宝を有していて境内には徳川家康手植えの逆さ銀杏などがあり徳川家の家紋である三つ葉葵が寺紋として掲げられています。
現在の大念寺山門の建築年は不詳ですが、寄棟、銅板葺、三間一戸、八脚楼門、桁行3間、張間2間、上層部には花頭窓、高欄などが設えられ、「正定山」の山号額が掲げられています。本堂は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行9間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、花頭窓付。
本尊である木造阿弥陀如来立像は快慶風、鎌倉時代前期に彫り込まれたと推定されるもので貴重な事から平成16年(2004)に稲敷市指定文化財に指定されています。山号:正定山。院号:智光院。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
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