素鵞熊野神社(潮来市)概要: 素鵞熊野神社は茨城県潮来市潮来に鎮座している神社です。素鵞熊野神社は明治10年(1877)に素盞神社と熊野神社が合祀された神社です。
素盞神社の創建は天安2年(858)に漁夫によって浪逆浦により引き揚げられた神輿を辻村天王原に祀ったのが始まりとされ、文治4年(1185)潮来大王川岸地内に遷座すると、四丁目以西の鎮守として信仰されてきました。元禄5年(1692)水戸藩2代藩主徳川光圀が当地を訪れた際、火事にあう憂いがあると指摘、元禄9年(1696)に当時の別当職佐竹祐宣により現在地に遷座し新たに社殿が造営されました。
熊野神社の創建は天正年間(1573〜1586年)、村人が熊野三社の分霊を勧請したのが始まりとされ五町目以東の鎮守として信仰され素盞神社と同じく元禄9年(1696)にこの地に遷座されました。
両社共に天保15年(1843)水戸藩(藩庁:水戸城)の命により神仏分離令が施行され牛頭天王と熊野三社大権現が分離されました。明治10年(1877)に両社が合祀され改めて素鵞熊野神社と改名し明治12年(1879)に郷社に列しました。
素鵞熊野神社境内にある大ケヤキは推定樹齢800年以上、樹高15m、幹周8.35m、枝張約14mの巨木で貴重な事から昭和39年(1964)に茨城県指定天然記念物に指定されています。
毎年8月7〜9日に行われる例祭に奉納される「潮来ばやし」は天安年間(857〜859年)に発生したとされる田楽や神楽ばやしの系統とされ、神輿渡御と山車の引き回しの際演奏され、古式を伝える貴重な行事として貴重な事から昭和39年(1964)に茨城県指定無形民俗文化財に指定されています。
又、同じく例祭で奉納される山車3台(附唐獅子1対)は上丁の山車は文政3年(1820)、下丁の山車は、明治5年(1872)、四丁目の山車は、明治8年(1875)に制作されたもので、何れも総欅造り、精緻な彫刻が随所に施された華麗な山車で民俗学的にも貴重な事から平成5年(1993)に茨城県指定有形民俗文化財に指定されています(例祭は素鵞神社創建の由来となった故事に倣ったものとされます)。
祭神は素鵞社は須佐之男命、奇稲田姫命。熊野社はイザナギノミコト、イザナギノミコト、速玉男命、事解男命。
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