大生神社(潮来市)概要: 大生神社は茨城県潮来市大生に鎮座している神社です。大生神社の創建は奈良時代の神護景雲元年(767)に和州城上郡春日(奈良県桜井市)の地に勧請したのが始まりとされ、平安時代初期の大同元年(806)藤原氏が東夷東征の際、当地に遷座しました。
ただし、境内附近には大生古墳群(大生東部古墳群、大生西部古墳群、カメ森古墳群、田ノ森古墳群:茨木県指定史跡)と呼ばれる大小100を超える古墳があり最大ものは全長約70m余りの前方後円墳がある事から当時の支配者オフ(飯富)一族の祖神を祀る神社が存在していたとも推測されます。
大同2年(807)に大生神社の御霊が鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)に遷宮したとも記録があり"鹿島ノ本宮"とも呼ばれ当地にはその分霊が祀られたそうです。江戸時代になると幕府から庇護され、社領39石の朱印を賜った事で社運も隆盛しました。明治時代初頭に発令された神仏分離を経て郷社に列しています。祭神は健御雷之男神(鹿島神宮と同神)。
【 大生神社の社殿 】-現在の大生神社本殿は天正18年(1590)に再建されたもので、三間社流造、銅板葺(元茅葺)、桁行6m、梁間7m、前軒高さ約3m30cm、裏軒高さ約4m、正面三間向拝付、外壁は真壁造板張り木部朱塗り、周辺では最古の神社建築として貴重な存在で昭和32年(1957)に茨城県指定有形文化財に指定されています。
大生神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、正面千鳥破風、桁行3間、梁間2間、正面1間向拝付、外壁は真壁造素木板張り、昭和44年(1969)に潮来市指定文化財に指定されています。大生神社斎殿は木造平屋建、寄棟、鉄板葺、平入、唐破風玄関屋根、平成6年(1994)に潮来市指定文化財に指定されています。
【 大生神社の樹叢と神事 】-大生神社の境内は神域だった事から聖地として保存された為、多種多様(スギ、シイノキ、ケヤキ、イチョウ、タブノキ等約300余種)、巨木、古木が多名称く「大生神社の樹叢」として昭和39年(1964)に茨城県指定天然記念物に指定されています。
例祭(毎年11月14〜16日)に奉納される巫女舞は氏子の家出身の少女が1人で舞う厳かで古式豊かな神事として知られ"大生神社巫女舞神事"として昭和38年(1963)に茨城県指定無形民俗文化財に指定されています。大生の思井戸は大生神社の御手洗や祭礼で利用され、鳥居が建立されるなど神聖視され、昭和51年(1976)に潮来市指定史跡に指定されています。
大生神社の文化財
・ 本殿−天正18年−三間社流造、銅板葺、三間向拝−茨城県指定文化財
・ 大生神社樹叢−境内一帯には樹齢が数百年多数−茨城県指定天然記念物
・ 巫女舞神事-例祭に奉納、巫女は7〜13歳の氏子女子-茨城県無形民俗文化財
・ 拝殿-入母屋、銅板葺、平入、桁行3間、梁間2間、1間向拝-潮来市指定文化財
・ 斎殿−木造平屋建、寄棟、鉄板葺、唐破風玄関屋根−潮来市指定文化財
・ 大生神社庭上祭−例祭に奉納−潮来市無形民俗文化財
・ 大生の思井戸−潮来市指定史跡
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