万蔵院(坂東市)概要: 慈徳山万蔵院は茨城県坂東市生子に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。万蔵院の創建は貞観12年(870)理源大師聖宝が開山したと伝えられています。
江戸時代に入ると幕府から庇護され寛永8年(1633)には3代将軍徳川家光から礼盤、護摩壇、脇札が寄進、真言宗の常法壇林所として繁栄し大名格の格式を得ていました。明治時代初期に吹き荒れた廃仏毀釈運動などにより荒廃しましたが明治25年(1892)中川大俊僧正により再興されています。
現在の万蔵院本堂は江戸時代後期の文政11年(1828)に建てられたもので入母屋、銅瓦棒葺、桁行8間、梁間6間、平入、外壁は真壁造、白漆喰仕上、両側に花頭窓が備えられています。山門は元亀2年(1571)に建てられたもので切妻、銅瓦棒葺、一間一戸、四脚門。
観音堂は享保8年(1723)に建てられたもので寄棟、銅板葺、桁行1間半、外壁は真壁造り板張り木部朱塗り、江戸時代中期の御堂建築の遺構として貴重な事から平成5年(1993)に坂東市指定文化財に指定されています。
鐘楼は江戸時代後期の天保3年(1832)建てられたもので宝形造、銅板葺、外壁は柱のみの吹き。境内にはこれら古建築が残され当時の繁栄が窺えます。猿島阪東33観音霊場第17番札所(御詠歌:さきのよに つくりしつみは しらつゆの おいごのてらへ まいるみなれば・札所本尊:十一面観世音菩薩)。山号:慈徳山。宗派:真言宗豊山派。本尊:胎蔵界大日如来。
万蔵院の文化財
・ 絹本著色曼荼羅-鎌倉中後期-縦139.5p,横118p-茨城県指定文化財
・ 木造金剛力士像(2躯)-鎌倉中期-伝:運慶作、像高約1.5m-茨城県指定文化財
・ 護摩壇-寛永10年-黒塗り金泥,菊花紋と唐草の金泥金具-茨城県指定文化財
・ 礼盤(2基)-寛永10年-黒塗金泥,菊花紋:唐草の金泥金具-茨城県指定文化財
・ 脇机(2基)-寛永10年-黒塗金泥,菊花紋:唐草の金泥金具-茨城県指定文化財
・ 観音堂-享保8年-寄棟,銅板葺,桁行1間半-坂東市指定文化財
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