東漸寺(取手市)概要: 東漸寺は茨城県取手市本郷に境内を構えている天台宗の寺院です。東漸寺の創建は天正2年(1574)に開かれたのが始まりと伝えられています。観音堂の創建は不詳ですが、古くから牛馬の守護神である馬頭観音が祭られ、霊験が高すぎた為、馬を乗ったまま門前を通ると必ず落馬する事から目隠しとして銀杏(目隠し銀杏:樹高約19m、目通り幹周り約6.2m)が植えられたとの伝承が残されています。
観音堂には行基が彫り込んだとされる観世音菩薩像は古くから家運長久、除災招福に御利益があるとされ特に馬の息災には霊験著しいとされ広く信仰を広めました。現在の東漸寺観音堂は寛政7年(1667)に建てられたもので三間四面、桁行7.292m、梁間6.380m、軒高8.745m、平面積48.927u、軒面積97516u、寄棟、元茅葺(改修後に再び茅葺屋根に復しています)、正面には唐破風一間向拝が付いています。
観音堂の内部には天明元年(1781)に制作された宮殿(一間社入母屋造、妻入、漆塗、極彩色)が設置され、観音堂の本尊である馬頭観世音菩薩像(伝:行基菩薩作、像高2尺4寸:約70cm)が安置されています。東漸寺観音堂は江戸時代初期に建てられた御堂建築の遺構として貴重とされ平成27年(2015)に茨城県指定有形文化財に指定されています。
東漸寺仁王門は元禄3年(1690)吉田村の清左衛門が寄進したもので三間一戸の単層八脚門、入母屋、元茅葺、桁行3間、梁間2間、両脇には仁王像が安置されています。観音堂(附:文化7年の軒札)と仁王門、宮殿は貴重な事から平成27年(2015)に茨城県指定文化財に指定されています。宗派:天台宗。山号:興隆山。院号:東漸寺。本尊:阿弥陀如来(観音堂本尊:馬頭観世音菩薩)。新四国相馬霊場八十八ヶ所第70・71番札所。
取手市:神社・仏閣・再生リスト
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-取手市教育委員会
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