旧小野瀬家住宅(龍ヶ崎市)概要: 旧小野瀬家住宅は茨城県龍ケ崎市上町に屋敷を構えている古民家です。小野瀬家は古くから油問屋や肥料商などを生業とした豪商で、初代は寛政年間(1789〜1801年)頃に当地に土着して商売を始め、2代新助の代では既に仙台藩の御用達商人となり鎮守である天王社(現在の八坂神社)拝殿の再建にも尽力、特に3代忠兵衛は当地域の財界でも名を馳せ明治39年(1906)には龍ケ崎農商銀行の創立発起人となっています。
旧小野瀬家住宅店舗は大正時代初期に建てられた町屋建築で、店舗は木造2階建て、桁行5間(約9.1m)、梁間3間(約5.5m)、切妻、平入り、桟瓦葺、建築面積210u、正面1階部分は前に張り出し下屋にしています。軒の高さや戸袋、2階の窓廻りなどに格式の高さを感じる部分が随所に見られ、母屋側の外壁は土壁で仕上げられるなど防火的な工夫も見られます。
母屋(主屋)の方も明治時代初期に建てられた木造平屋建、片寄棟、桟瓦葺、通り側:桁行9間半(約17.3m)、梁間3間(約5.5m)、背面側:桁行9間(約16.4m)、梁間3間(約5.5m)、建築面積65u、建物です。明治時代から大正時代に建てられた町屋建築の遺構として貴重で「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしている事から平成16年(2004)に国登録有形文化財に登録されています。
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