観音寺(牛久市)概要: 威徳山福聚院観音寺は茨城県牛久市久野町に境内を構えている天台宗の寺院です。観音寺の創建は大同2年(807)、伝教大師最澄の法孫覚叡の高弟教海法印が十一面観音像を安置して開基したのが始まりと伝えられています。
常陸西国三十三観音霊場三十三番札所として広く信仰を集め、近世以降大きな火災が少ない事から多くの寺宝を所有しています。常陸西国三十三観音霊場第17番札所(御詠歌:くまもなく 照らせる月の 光り堂 恵みもふかき 野辺の白露)。山号:威徳山。院号:福聚院。宗派:天台宗。本尊:十一面観音。
現在の観音寺本堂は大永5年(1525)に建てられ、宝永4年(1707)に大改修されたもので五間四方、寄棟、元茅葺、正面に一間向拝が付いています。内部は内陣と外陣を備える当時の密教寺院の流れを汲むもので、附として宮殿1基・須弥壇1基・棟札14枚・銘板1枚と共に平成3年(1991)に茨城県指定有形文化財に指定されています。
観音寺仁王門は宝永4年(1707)に本堂の改修時に同時に建立されたと推定され本堂に使われていた古材が随所に再利用されています。仁王門は三間一戸の八脚単層門で寄棟、元茅葺、両側に慶安3年(1650)に制作された仁王像が安置、江戸時代中期の寺院山門建築の遺構として貴重な事から平成3年(1991)に茨城県指定有形文化財に指定されています。
観音寺本尊である木造十一面観音菩薩坐像は室町時代に制作されたもので寄木造り、ヒノキ材、宋風彫刻、金泥盛り上げ彩色、昭和60年(1985)に茨城県指定重要文化財に指定されています。阿弥陀来迎及び千手観音図は室町時代に制作されたもので絹本着色、軸装、縦70.0cm、横30.0cm、平成23年(2011)に牛久市指定文化財に指定されています。
八脚門を簡単に説明した動画
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