不動院(板橋不動尊)概要: 清安山不動院願成寺は茨城県つくばみらい市板橋に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。不動院の創建は平安時代初期の大同3年(808)、真言宗の開祖である弘法大師空海がこの地を訪れた際、霊地と悟り自ら不動明王を彫り込み安置、開山したことが始まりと伝えられています。天授6年(1360)、祥海和尚が七堂伽藍を再建するなど中興し寺運も隆盛しましたが2度兵火でことごとく焼き払われます。元禄年間(1688〜1704年)に11世住持秀海によって再び再興され境内などを整備、堂宇は随時再建、改修され現在に至っています。北関東三十六不動尊霊場第36番札所(結願寺)。山号:清安山。寺号:願成寺。宗派:真言宗豊山派。本尊:不動明王(安産子育不動尊)。
不動院の本尊である木造不動明王及二童子立像は平安時代後期に製作されたもので桧材、中尊の像高は100.0cm、二童子の像高は60cm余、大正4年(1915)に国指定重要文化財に指定されています。現在の不動院本堂は文禄年間(1592〜1596年)に再建されたもので五間四面、入母屋重層屋根、2層目銅板葺、1層目瓦葺、1間向拝付き、建物主体を朱色に塗り、細部に施された精巧な彫刻は素地、2層目の壁を白く塗りこんでいます。不動院楼門は元禄年間(1688〜1704年)に建てられたもの三間一戸、入母屋、銅瓦棒葺、八脚楼門、桁行3間、梁間2間、2層目に高欄を廻し、構造体を朱色に塗りこみ、1層目の両脇には仁王像が安置されています。不動院三重塔は安永元年(1772)に建てられたもので宝形屋根、三間四面、三重塔婆、銅瓦棒葺、高さ25.1m、構造体が朱色、壁が白、竜を主体とした細部に施された彫刻は素地に一部極彩色、金物が金と豪華な造りで不動院の中でも異彩を放っています。不動院本堂、楼門、三重塔は貴重な事から茨城県指定有形文化財に指定されています。
不動院(板橋不動尊)の文化財
・ 木造不動明王及二童子立像−平安時代後期−国指定重要文化財
・ 本堂−文禄年間−入母屋重層屋根、銅板葺、五間四面−茨城県指定重要文化財
・ 楼門−元禄年間−三間一戸、入母屋、八脚楼門、銅瓦棒葺−茨城県指定重要文化財
・ 三重塔−安永元年−三重塔婆、銅瓦棒葺、方三間−茨城県指定重要文化財
・ 仁王像(密迹金剛像・那羅延金剛像)−つくばみらい市指定文化財
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