八坂神社(土浦市)概要: 八坂神社は茨城県土浦市真鍋に鎮座している神社です。八坂神社の創建は不詳ですが筑波山麓にスサノオ命の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。元弘年間(1331〜1334年)、御神体が桜川に沿って霞ヶ浦に流れ着くと地元の漁師である嘉左衛門、弥次兵衛が拾い上げ近くの松の下に祀りました。
応永18年(1411)に現在地に遷座されたとみられ、以後、八坂神社は土浦の産土神として周辺住民から信仰され歴代領主からも崇敬庇護されました。
江戸時代に入ると歴代土浦藩(藩庁:土浦城)の藩主から崇敬され、特に土浦城の鎮守社的な意味合いが強かった事から社殿の向きを北西から土浦城がある南向きに変え藩主自ら本殿や拝殿などの社殿の造営し、社領田畑4反9畝4歩を寄進しています(八坂神社の例祭の際には神輿渡御が土浦城の城内まで行われ、城内で神事が行われました)。
八坂神社は古くから神仏習合し江戸時代までは牛頭天王社などと呼ばれてきましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され明治5年(1872)に現在の社号である八坂神社に改称し明治6年(1873)に郷社に列しました。
現在の八坂神社本殿は元禄13年(1700)、土屋政直によって再建されたもので一間社、流造、銅板葺、壁板には精巧な透かし彫りが施され、棟梁は野州千本出身の長野太左衛門清氏が手懸けています。
拝殿は享保13年(1728)に土屋陳直が再建したもので桁行4間、梁間3間、入母屋、銅瓦棒葺、本殿に比べると華美な装飾が少なく質実な印象を受けますが屋根の棟には土浦藩主土屋家の家紋が掲げてあり格式が感じられます。
八坂神社本殿・幣殿・拝殿は江戸時代に建てられた(幣殿は明治12年建築)神社社殿建築の遺構として貴重な事から平成13年(2001)に土浦市指定有形文化財に指定されています。祭神は素戔嗚命(牛頭天王)。例祭(祇園まつり)は毎年7月25〜27日。
|