前野家住宅(土浦市)概要: 前野家は代々名主を歴任した上層農家だった家柄です。現在の建物は江戸時代後期の文化3年(1806)に建てられた上層農家建築で、木造平屋建て、寄棟、茅葺、直屋造り、平入、桁行9間(16.38m)、梁間4間半(8.19m)、外壁は下見板張り縦押縁押さえ、正面には瓦葺の下屋、棟には煙り出しが付いています。内部は向って左半分(4.5間)は土間で反対側は田の字に部屋が区切られていて、土間側2.5間分に正面が「広間」、背後に「台所」があり残りの2間分に正面に「座敷」、背後に「納戸」を配し、一般的な農家住宅に見られない床の間や竹すのこの天井が居住部全面に張られるなど上層農家としての格式が随所に見られます。又、敷地内も広く長屋門(寄棟、茅葺、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り縦押縁押さえ)や土蔵、隠居、附属舎なども現存していて当時の上層農家の生活の一端が窺えます。前野家住宅は江戸時代後期に建てられた上層農家住宅の遺構で家晋請付笛覚帳が残り建築年代が明確で貴重な事から昭和47年(1972)に茨城県指定有形文化財に指定されています。
長屋門を簡単に説明した動画
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-土浦市教育委員会
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