旧茨城県立土浦中学校本館概要: 旧土浦中学校は明治37年(1904)に建てられたゴシック風学校建築です。ゴシック建築とは12世紀後半から16世紀にかけてフランスを中心に西洋ヨーロッパで流行った建築様式の1つで尖頭アーチや飛び梁、ヴォールトなどをモチーフとして取り入れリズム感のある建物の総称で明治時代以降日本でも取り入れられました。土浦中学校本館でも正面玄関左右には双頭の尖塔屋根の塔屋が配され、玄関ポーチ入口は三連尖塔アーチ、その上部もヴォールト屋根を模した意匠などが見られる。
設計は山形県出身の建築家・駒杵勤治で当時は東京帝国大学を早期に卒業したばかりでしたが茨城県営繕技師としてその技術を存分に振るったようです。駒杵勤治が茨城県技師としての作品としては「旧茨城県立太田中学校講堂」、「旧茨城県立商業学校本館」が残されています。
土浦中学校本館は木造平屋建、寄棟、スレート葺、建築面積987.9u、縦長の上げ下げ窓、柱飾り、外壁は下見板張りペンキ仕上げ、外壁上部はハーフティンバー様式(洋風真壁造)、天井が高く教室奥部まで採光し易いような構成になっています。
内部は凹型の左右対称で向って左側は教室群で右側は宿直室、事務室、校長室、職員室などが配されていました。旧茨城県立土浦中学校本館は明治時代に建てられた洋風学校建築の遺構として大変貴重なことから昭和51年(1976)に国指定重要文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-茨城県教育委員会
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