堀江家書院(常陸太田市)概要: 堀江家は常陸国を制した佐竹氏の家臣でしたが、慶長5年(1600)の関が原の合戦で佐竹氏は東西中立を保った為、久保田藩(秋田県)へ移封となり本家はこれに随行し、分家である当家は土着しました。以来、堀江家は庄屋を勤める一方藩主である西山荘に隠居した徳川光圀(水戸藩2代藩主)に仕えるなど格式が高い家柄を保ち、藩主や役人が領内巡回には休息所などにも利用されました。敷地内にある書院は江戸時代末期に建てられたもので、木造平屋建て、寄棟、茅葺、平入、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、内部は主室と控えの間の2室と広縁(畳敷き)、落縁(板敷き)で構成され一見質素に見えますが随所に格式の高さが見受けられ、西山荘の心字池を模したという庭園と相俟って風情ある空間が感じられます。堀江家書院は江戸時代末期の書院建築の遺構として貴重な事から昭和45年(1970)に茨城県指定有形文化財(建造物)に指定されています。
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