旧茂木家住宅(水戸市)概要: 旧茂木家住宅は江戸時代中期の元禄年間(1688〜1704年)頃に建てられたと推定される農家住宅です。木造平屋建、寄棟、茅葺、平入、棟部分が丸瓦で押え、煙り出し付、外壁は真壁造り、土壁鏝押え、直屋形式で建物の面積に対し比較的土間部分が狭く住居部分が広く計画されていて茂木家が組頭や副戸長を歴任した上層農家の格式を感じられます。
内部は向って左1/3が土間で土間から直接立つ2本の独立柱が目立ち、土間に面した正面が板敷きの「ひろま(囲炉裏付)」、背後が板敷きの「だいどころ」が配され)、両部屋とも土間との境には建具などが無く開放的で一体となって利用されていた事が分かります。右側1/3の正面が接客の場として利用され身分の高い人物用の「げんかんのま」と畳敷き10帖の「ざしき(仏壇付)」があり、その背後には寝室となる「ねま」が配されています。
仕上げがチョウナ鉋で仕上げられ、居室の開口部の閉鎖性や、土間の独立柱など、初期の古民家の特徴が随所で見る事が出来ます。旧茂木家住宅は江戸時代中期に建てられた茨城県南部地方の農家建築の形式を伝える貴重な建物として昭和45年(1970)に茨城県指定有形文化財に指定されています。現在は元々位置していた茨城県南部の行方郡牛堀町から茨城県立歴史館敷地内に移築保存され一般公開されています。
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