円満寺(古河市)概要: 宝林山円満寺は茨城県古河市小堤に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。円満寺の創建は大同4年(809)弘法大師空海(真言宗開祖)が出羽三山(山形県鶴岡市)から帰路の際、当地を訪れ開山したのが始まりと伝えられています。当初は「寺家山」の地にありましたが室町時代に現在地に移され天保11年(1840)に行盛法印によって中興されています。
境内は小堤城館と呼ばれる中世の居館跡で三重堀を擁する平城だったとされ当時の領主野田氏と関係が深ったと推定されています。古くから神仏習合し当地域に鎮座する多くの神社の別当寺院となっていましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令によりそれらの神社から分離しています。
円満寺には様々な寺宝を所有し、特に絹本著色両界曼荼羅(室町時代に制作され古河公方の家臣諏訪頼方が、娘の病気平癒のために寄進されたもの。「金剛界」と「胎蔵界」の2幅、縦242.4cm、横181.8cm)、五鈷鈴(平安時代に制作されたもので総高255o、大形の密教法具)、三鈷杵(平安時代に制作、総体275o、最大級の密教法具)は大変貴重なものとされ昭和38年(1963)に茨城県指定重要文化財に指定されています。
円満寺山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚門。本堂は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行7間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。観音堂は木造平屋建て、宝形造、桟瓦葺き、桁行2間、張間2間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。鐘楼は入母屋、桟瓦葺き、外壁は柱のみの吹き放し。
葛飾坂東観音霊場第三十三番札所(御詠歌:よろこびも なとりの袖に 小堤や 今日は願いを 円満ぞする)。山号:宝林山。院号:地蔵院。宗派:真言宗豊山派。本尊:大日如来。
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