稲吉宿本陣(坂本家住宅)概要: 坂本家住宅は茨城県かすみがうら市下稲吉に屋敷を構えている古民家で、江戸時代には水戸街道の宿場町である
稲吉宿の本陣の役割を持っていました。現在に水戸街道沿いに残された3本陣(取手宿本陣(染野家住宅:茨城県取手市取手)、中貫宿本陣(本橋家住宅:茨城県土浦市中貫))の内の1つで貴重な存在です。
本陣とは大名や領主、幕府役人など身分が高い人物だけが宿泊や休息で利用する施設である事から、坂本家住宅でも格式の高い表門や式台付の玄関、床の間や違い棚、床を高くした上段の間などが備えられていました。当地は旗本(交代寄合:8千5百石→1万1百石)本堂家の領内で稲吉宿本陣を代々担った坂本家も本堂家と係わりが強かった事から家紋である「笹りんどう」が玄関屋根の上部に掲げられています。現在も在住なので主屋の詳細は不詳ですが、長塀は石垣の上に設けられ桟瓦葺、壁面は真壁造、白漆喰仕上、腰壁は下見板張縦押縁押え。表門は切妻、桟瓦葺、薬医門。稲吉宿本陣は数少ない本陣建築の遺構として貴重な事から昭和46年(1971)、かすみがうら市指定有形文化財(旧千代田町指定史跡)に指定されています。又、稲吉宿には旅籠を生業とした木村家住宅(皆川屋)が残され宿場町らしい一面が感じられます。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-かすみがうら市教育委員会
|
|