江戸崎不動院(稲敷市)概要: 医王山不動院東光寺は茨城県稲敷市江戸崎に境内を構えている天台宗の寺院です。不動院の創建は平安時代の嘉祥元年(848)に慈覚大師円仁が開山したのが始まりと伝えられています。
その後一時衰退しますが文明2年(1470)に幸誉法印が中興し、歴代領主である土岐原氏や芦名氏に庇護されました。天正19年(1591)に当時の領主芦名義広(盛重)は天海大僧正(後に日光山座主、上野寛永寺住職、喜多院住職)を招き境内を整備しています。
慶長5年(1600)に発生した関ヶ原の戦いにおいて佐竹氏は東西中立を保った為、秋田へ移封、芦名氏もこれに随行し角館領主(秋田県角館町)となり不動院は庇護者を失います。
江戸時代に入ると幕府から庇護され徳川家康から寺領150石を安堵され、天台宗門関東八檀林(中院、大光普照寺、龍蔵寺、月山寺、薬王院、不動院、逢善寺、長福寿寺)の一つに定められると寺運が隆盛し、最盛期には境内には5つの塔頭を有し、末寺は114ヵ寺を数えられ10万石の格式を得ていました。
現在の不動院仁王門は明暦元年(1655)に4代将軍徳川家綱が寄進したもので、切妻、本瓦葺、三間一戸、八脚単層門で内部には茨城県最大級の仁王像が安置され当時の繁栄を見ることが出来ます。
寺宝:東照大権現神号軸(天海大僧正筆)、天海大僧正画像(狩野探幽作)、天海大僧正木像、十一面観音菩薩 (伝:恵心僧都作) など。北関東三十六不動尊霊場第30番札所(御詠歌:人の世の 願いを満たす 不動尊 ここ江戸崎に 伝う護摩の火)。山号:医王山。寺号:東光寺。宗派:天台宗。本尊:不動明王(伝:慈覚大師作)。
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